年末の深夜勤体験記

昨年末から年明けにかけて、郵便局の深夜勤バイトをしてみた。勤務時間は、22時から翌9時まで。年賀状で忙しくなる繁忙期の短期バイト。拘束時間は11時間だが、途中、1時間25分の長休憩と、10分の休憩が何度かある。


初日に行って驚いたのは、荷物を置いたり、休憩する場所が、営業時間外の食堂で、ロッカーもないこと。仕事をする場所には財布以外の私物は持っていけないので、スマホはカバンに入れたままそこに置いて行く。


休憩をとるタイミングは、長期バイトと短期バイトで違っていたり、郵便物(封書やハガキ)とゆうパック(小包)も異なるので(そもそもその二つは採用自体違う)、ばらつきがある。知らない人がそこに一人しかいないこともあるのに、なんて不用心なと思った。


そして、その食堂の寒いこと。どういう調整かわからないが、暖房がが効いてるときと効いてないときがある。初日はすごく寒くて、着ていったコートを着ても寒いくらいだったので、そこで長休憩の仮眠をとると風邪をひきそうだなぁ、と思った。


仮眠といっても、そもそもソファーで眠れるのは二人くらい。長休憩は多少ずれるといっても、8-10人は同時にとるので、私がソファーを使ったのは一回だけで、あとは、リュックをテーブルにおいてそこに顔を伏して寝た。


初日、仕事量としては、まぁ、50歳を過ぎてる体力ない自分にはそこそこきつかったが、できなくもないなと思った。ただ、そうした、働く人の労働環境がひどくて当たり前の状況がとても腹が立ち、1日で辞めたくなった。


とはいえ、生活のことも考え、予定されていた6勤務のうち、1勤務は高熱で休んだものの、とりあえずがんばった。クリスマスイブ、誕生日を迎える夜、大晦日から元日にかけてもシフトだったが、そんな年もあってもいいかと思いつつ。


仕事はすぐに慣れたし、こうした作業は嫌いではないので、しばらく長期でも...とチラッと頭を過ぎらなくもなかったが(手区分と言われる、住所ごとに手で分けていく際の町名とかもかなり覚えてスムーズになっていたし)、そうした労働環境が全く考慮されていないことへの腹立たしさに加え、もう一つ、自分にはきついなと思ったことがあった。


それは、ときどき、民族差別的な話をしている声が耳に入ることだった。ちょっとおしゃべりできる余裕のある作業をしている人同士の話だったり、多くは、食堂での休憩中に。自分に話しかけられての内容なら反応のしようもあるが(でも、基本、長期バイトの人は短期バイトの人に作業の指示等以外で話しかけることはない)、離れたところで会話している人に割って言うことは自分にはできなかった。


そんなこんなことをいちいち言っていたら、できるバイトなんてなかなかないのかもしれないけれど...。


ちなみに、郵便局の労働環境に関していうと、昔、郵便局で働いていた人によると民営化以降悪化したらしい。民営化だけでなく、経済成長が完全にとまって20年にはなる社会の中で、あちこちで労働環境(人と人とのコミュニケーションも含め)が悪化しているのだろうか。


そして何より、こうした郵便局での仕事だけでなく、ネットで仕事探しとかしていると、「この時給、給与でどうやって生活するの?」と思わざるを得ない。私は、1日8時間x週5日働いたら生活できる時給、給与が基本となる社会を目指さないとおかしいと思うのだが、そういう話を身の回りにしても、「?」という反応を示す人も多い。


しかし、こうした労働環境の中で働き続けていくためには、そうした、社会への疑問を持たないようになることが必要なのだろう。私も、今後の生活を考えていくと、そういう風になっていくのかもしれない、とも思った年末年始だった。




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GrassRoots Actions for Diversity オープンリーゲイの文化人類学者 砂川秀樹